【魔女の旅々】最悪と感じる結末が実は最善である場合もある【アニメ第9話】
今週のアニメ魔女の旅々は悲しいお話
今週の魔女の旅々は、『遡る嘆き』というタイトルで、30分1話構成でした。
魔女の旅々は1話短編になるのですが、笑える話もあれば、悲しい話もあります。
今回は、悲しい話でした。
あまり他人と干渉せず、旅人スタイルを取っているあのイレイナが涙して終わりましたからね。
公式HPにも、今回のお話のところに以下の記述がありました。
とても悲しくて難しいお話でしたが、今回はこの結末の考察をしていきたいと思います。
親友を救いたい一心のその先には
まずは、お話の概要をまとめます。
ある国を訪れたイレイナでしたが、金欠に悩んでいました。
そんなイレイナは、魔女への高報酬の仕事のチラシを見て、雇い主(薫衣の魔女)を訪れます。
仕事の内容は、「一緒に10年前に戻り、殺人鬼と化してしまった親友を救いに行ってほしい」というものでした。
親友は、強盗により両親を殺された後、おじに引き取られましたが、そこで虐待を受けてしまい、おじを殺して殺人鬼になりました。
当時、魔女の修行で国を出ていた雇い主は、国に戻ってきた後にこの状況を知り、国の指示で親友を捕らえ、自らの手で処刑しました。
その後、なんとか親友を救いたいという一心で、過去に遡る魔法を完成させました。
自分のすべてを投げ出して過去に戻ったのですが、そこで待っていたのは想像と異なる現実でした。
実は、親友はすでに両親から虐待されており、両親は強盗ではなく親友により殺されていたのです。
親友は、家では虐待され、外では普通の顔をする(演じる)生活をしており、「すでに壊れている」と自ら語りました。
雇い主のことも親友とは思っておらず、その親友を殺そうとしました。
これに激高した雇い主は、自らの記憶を代償にして魔力を生み出し、親友の暴走に終止符を打ったのでした。
現実に戻ってきた雇い主とイレイナでしたが、雇い主は記憶を失ったために親友のことを覚えておらず、心にポッカリと穴が空いたような状態になっていました。
そして、イレイナは報酬も受け取らず雇い主の家を飛び出し、「自分には何も出来なかった」と涙して閉幕となりました。
■幼いころから仲が良かった雇い主と親友
出典:TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
■過去に遡る決意をする雇い主とイレイナ
出典:TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
■現実に戻ってきた後、打ちひしがれるイレイナ
出典:TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
長くなってしまいましたが、このようなお話でした。
長年の努力の甲斐もなく親友を救えず、自らの手で二度も処刑する結果となりました。
この結末ついて、客観的に見ていきたいと思います。
この結末に対する考察
登場人物の心理
まず、登場人物の心理を整理します。
イレイナの心理としては、最初はお金目当てでしたが、雇い主の一途な想いに心を動かされ、途中からは「雇い主に報われてほしい」と考えるようになっていました。
終盤、激高し親友を殺そうとする雇い主を止めようとしたのも、「二度も親友を殺めてほしくない」「そんなことをしても救われない」という想いからだと思います。
次に、雇い主の心理ですが、「親友を救いたい」という想いだけでなく、「親友を救えず苦しんでいる自分を救いたい」という想いもありました。
雇い主が救われれば、イレイナも満足するという状態ですね。
現実を見せつけられた時の感情
親友を救うために強盗を撃退すれば解決!と思っていたのに、実際は親友が両親を殺していました。
この時の雇い主の感情は「裏切られた」だと思います。
国の命令とは言え、親友を自らの手で処刑したことに対し、悩み、苦しみ、自らを犠牲にして親友を救いに来たのに、実際は親友とは思ってもらえておらず演じられていた…。
「私の苦しみを返せ!」と言わんばかりに怒り狂っていました。
ここでのポイントは、純粋に親友を救いたかったのではなく、自分を救いたかったという想いの方が強かったということです。
親友を救いたいのであれば、すでに10年前でも手遅れであった事実に頭を悩ませるはずです。
(もっと過去に遡るか?とか考えるはず)
一方、イレイナは雇い主が親友を魔法で攻撃する姿を見て、「ダメ!」と思い、攻撃を止めようとしました。
これは、雇い主が親友を殺してはいけないと思ったからです。
なぜかというと、雇い主にとって親友である事実は変わらないと思ったからでしょう。
殺してしまうと、雇い主は救われないと思ったのですね。
でも実際は、すでに雇い主は親友と思っていなかったと思います。
最後に残ったもの
最後は、雇い主が「親友との記憶」を代償に枯渇した魔力を補い、自らの手で親友を殺しました。
そして現実に戻ってきたときには親友のことは覚えていませんでした。
一方、イレイナだけがすべての記憶が残り、一人で打ちひしがれていました。
イレイナは最悪の結末だと感じていたはずです。
さて、最後に残ったものは何でしょうか?
私は、「雇い主が親友から解放された」という事実だと思います。
そう、私はバッドエンドだと感じませんでした。
バッドエンドと感じなかった理由
客観的に見て、実はこれはグッドエンドじゃないかと思っています。
まず、雇い主は親友に縛られていました。
そこから解放されたい雇い主は、親友の裏切りはあったものの、結果として開放されました。
そして、親友の記憶を失ったことで、今後は前に進むことが出来ると思います。
(記憶が残ったままだとなお解放されない)
次に、世界全体で考えます。
親友は両親を殺した後、殺人鬼となり何人も殺しました。
過去に戻り、両親を殺した時点で親友を止めたことで、殺されるはずの人が死なない未来が生まれました。(パラレルワールド)
そういう未来を生み出した価値は高いと思います。
一方、イレイナだけが傷つきましたが、落ち着いた後に
「自分に何が出来たか」
「あの状況(親友がすでに壊れていた)で何がベストだったか」
「雇い主の願いと今後はどうか」
を考えると、上記考察のとおり、「雇い主は救われた」と感じることができるのではないでしょうか。
この結末はベストとは言えませんが、
- 雇い主が過去の親友に殺させれる
- イレイナが過去の親友に殺される
- 雇い主が壊れる
ような結末と比べると、かなり良い方ではないでしょうか。
このように、他の結末をイメージすることで、最悪の結末と感じるものでも、実は最善であったのではないかと思えるのです。
これは、失敗したときに使いたい思考法であり、ポジティブ思考でも大切です。
本人は辛いのですが、客観的に見ることでしか見えない事実というものもあるのです
懸念事項
実は、いつか雇い主の記憶が戻るかもしれないのです。
アニメ第6話『正直者の国』では、声を代償に剣を生み出した魔女が登場しましたが、剣を破壊することで声を取り戻しました。
今回は、記憶を代償に魔力を生み出したのですが、いつか魔力が回復した時には記憶が戻るかもしれません。
その時は…試練の時ですね。
考察を終えて
いかがだったでしょうか。
主観的には最悪と思われる現実でも、客観的に見てみると、そう悪くないと感じるのではないでしょうか。
物事は見方によって良くも悪くもなります。
悪い面を受け入れつつ、良い面に目を向けることで、ポジティブな思考が生み出されます。
以下の記事でもまとめていますので、よかったら見てくださいね。
個人的にですが、このような話は好きです。
変にご都合主義ではなく、現実とは時に残酷なもののため、リアリティを感じることが出来ます。
アニメも残すところあと3話となり、寂しい面もありますが、来週も楽しみにしたいと思います。
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